直線状片方向マルチホップネットワークにおけるシグナルキャプチャ効果に関する考察
土屋 慶絋, 関屋 大雄, 小室 信喜, 阪田 史郎
電子情報通信学会 情報ネットワーク研究会, vol.109, no.449, pp.211-216, Feb., 2010. [pdf document]

<Abstract>

IEEE 802.11 Distributed Coordination Function(DCF)を用いた直線状のマルチホッ 70 ネットワークにおいて,片方向フローの最大スループットの解析手法が提案されている.従来手法では,シグナルキャプチャ効果を仮定した上で解析を行う.しかしながら,ハードウェアの動作では,シグナルキャプチャ効果は観測できないことが多い.また,フレーム長が短い場合における最大スループット解析が行われ,解析とシミュレーション,実験が一致することが確認されている.しかし,フレーム長が長い場合における最大スループット解析は行われていない.本稿では,直線状片方向のネットワークにおいて,フレーム長が長い場合について最大スループットの解析を行う.最大スループットを達成する状態では, 1 つ前のフレームを 3 ホップ以降の端末が 1 つ持つことを明らかにし,この状況の下で最大スループットを導出する.この状況は従来手法において仮定されている状況と異なるものであり,本研究は新たな解析手法を構築する必要がある.シミュレーション結果と解析の結果の一致を示すことにより,本研究で示された解析式の妥当性が示される.