ドレイン電流の立ち下り時間を考慮したE_M級増幅器の解析
張 志才, 永島 和治, 魏 秀欽, 関屋 大雄
電子情報通信学会非線形問題研究会, vol.112, no.487, pp.37-42, Mar., 2013. [pdf document]

<Abstract>

EM 級増幅器は, 基本動作周波数で動作するE 級増幅器と, 基本周波数の高調波を出力する補助回路で構成 される. スイッチ電流に補助回路から高調波の電流を足しこむことで, 連続したスイッチ電圧波形とスイッチ電流波形 を同時に達成し, E 級増幅器に比べ, on からoff へ切り替わるまでのスイッチング時間が長いデバイスを用いた場合で も高効率な動作を維持する. しかし, 従来のEM 級増幅器の解析では, 補助回路におけるスイッチの電流ジャンプが考 慮されていない, 実際のスイッチでは, ドレイン電流の立ち下り時間が存在するため, スイッチ電圧と電流の重なりが 生じ, 電力損失が発生する. したがって, EM 級増幅器の補助回路において電流立ち下り時間を考慮することは重要で ある. 本研究では, 補助回路における電流立下り時間を考慮したEM 級増幅器の解析・設計を行う. 本解析により,補 助回路の電流立下り時間の影響を含めた,EM 級増幅器のより厳密な設計を行うことができる.さらに,出力電力お よび電力変換効率を解析的に導出し,電流立下り時間が回路に与える影響を明らかにする.数値計算シミュレーショ ンと回路実験より, 本解析の妥当性を確認する.