雑音量に依存しない音声領域と雑音領域との判別を用いた音声強調
野村 行弘, 呂 建明, 関屋 大雄, 谷萩 隆嗣
電子情報通信学会応用音響研究会, pp.29-34, Apr., 2004. [pdf document]

<Abstract>

スペクトルサブトラクション法を用いた音声強調において,音声領域と雑音領域との判別は音声の雑音除 去と明瞭性の向上の両面から重要である.本研究では,雑音量に依存しない音声領域と雑音領域との判別方法を提案 する.提案方法では,雑音成分を減算したスペクトルデータを用いて音声領域と雑音領域との判別を行うことにより, 判別時の雑音の影響を低減させる.提案方法についてNOISEX-92 の4 種類の雑音による性能評価を行う.その結果, 提案方法は従来方法より音声/雑音領域の判別が雑音量に依存せず,正確に行われることを示す.提案方法によって強 調した音声は雑音除去性能を維持しながら音声ひずみを減少できることを示す.