磁気結合型無線電力伝送システムにおける最大効率化のための包括的設計手法 <Abstract> 直流入力・直流出力の磁気結合型無線電力伝送システムの開発には,システム全体の電力変換効率(以下、全体効率)向上を考慮することが重要である.全体効率は,磁気結合部にあたるトランスの伝送効率と,電力変換器における電力変換効率の積で表せる.一方,磁性素子と電力変換器のパラメータは相互に影響を及ぼすため,全体効率の向上にはシステム全体の包括的な設計が重要となる. 本稿では,仕様として与えられた物理的条件下(コイルのサイズ等)で全体効率を最大化する無線電力伝送システムの包括的な設計方法を提案する.電力変換器にE級スイッチングを適用したシステムの設計式および自己インダクタンス,結合係数,等価直列抵抗などの磁性素子の理論式を組み合わせてシステムを設計することにより,全体効率を最大化するシステムの設計が可能となる. 回路実験により,設計の妥当性および有用性を示す. |