スペクトルの散布図と独立成分分析を用いた音声分離
宮薗 敦, 野村 行弘, 呂 建明, 関屋 大雄, 谷萩 隆嗣
2004年電子情報通信学会ソサエティ大会, pp.A-4-2, Sept., 2004. [pdf document]

<Abstract>

音声分離において, 混合音声の数が話者数と等しい場合は, 独立成分分析(ICA) を用いることで分離が可能である. しかし, 混合音声の数が少ない場合は, ICA を直接用いることができない. この問題の解決法として, 混合音声のスペクトルの散布図を用いる手法が提案されている. この手法では, スペクトルの散布図上で元の音声ごとにスペクトルが密集する性質を利用し, 密集するスペクトルを抜き出すことで音声の分離を行う. しかし,混合音声に残響が含まれる場合は, 残響がない場合に比べ散布図の中心で元の音声のスペクトル同士が広範囲にわたり重なるため, スペクトルを抜き出すことが困難になる. よって, 残響に対応した分離手法が必要となる. 本研究では, 混合音声に残響が含まれる場合を対象とした音声分離手法を提案する.