注入同期のロックレンジを最大化する入力信号波形―CMOSリングオシレータを例として―
矢部 洋司, 西川 功, 中田 一紀, 守 知行, 関屋 大雄, 安藤 芳晃, 田中 久陽
電子情報通信学会論文誌 C, vol.J99-C, no.6, pp.298-313, June, 2016. [pdf document]

<Abstract>

注入同期により発振器の周波数安定性の向上が可能である.そのため様々な応用を念頭に盛んに研究が進められている.ところがわれわれの知る限り,注入同期の性能を最適化する理論や解析的設計手法は,これまで確立されていなかった.本論文において,注入同期の一つの物理的限界が存在し,これが実現可能であることを示す.具体的にはCMOSリングオシレータを例として,実用上有用な発振器における引き込み周波数帯(ロックレンジ)の最大化が実現可能であることを理論的かつ数値的に検証する.