共振型ドライバにおけるダイオードによる電圧シフトの定常解析からの説明
松原 華子, 魏 秀欽, 関屋 大雄
電子通信エネルギー技術研究会(EE), May, 2017. [pdf document]

<Abstract>

SiCやGaNなど次世代半導体の登場によるパワーコンバータの高周波数化に伴い.ソフトスイッチングを導入するために共振型インバータを適用したドライバ回路が注目されている.共振型コンバータではダイオードをゲート・ソース間に挿入することで駆動電圧を単極性にすることが多い.このとき,ダイオードが動作せず正弦波駆動電圧がシフトする現象が発生するが,そのメカニズムは明らかになっていない.本稿では共振型ドライバとしてE級増幅器を適用したE級ドライバについてとりあげ,ダイオードを付加することによる電圧シフトを解析的に説明する.ダイオードを負荷したE級ドライバについて定常解析を行うことにより,電圧シフトは共振キャパシタとゲート容量が同時に存在することにより生じることが説明される.この電圧発生シフトのメカニズムはE級ドライバ以外にも適用できる理論であり,今後共振型ドライバ回路の設計に有効な指針を与えるものと期待される.解析の有効性はシミュレーション,回路実験との比較から確認する.