多受電無線電力伝送システムにおける 最大効率追従制御
松田敏拓、小宮山裕太郎、朱聞起、グエンキエン、関屋大雄
2022年NOLTAソサイエティ大会, pp.37, June, 2022. [pdf document]

<Abstract>

磁界共鳴型無線電力伝送システム (WPT) は電磁界を介して無線で電力伝送を可能とする.システムの小型化に貢献するために送電周波数の高周波化に注目が集まっている.代表的な高周波高効率送電回路の一つとして E 級インバータがある.E 級インバータZero-VoltageSwitching/Zero-Derivative Switching(ZVS/ZDS) を達成するため,高周波動作下で高効率を実現する.近年では,受電器が複数存在する WPT の研究も進められている [1].多受電システムは,送電器の数を削減できるため,保守性の向上,設計コストの削減,電力密度の向上を効果的に実現する.一方で,社会実装を考えると負荷変動および送電器と受電器の位置ずれにロバストなシステムが求められる.最大効率追従制御 [2] はプレポストレギュレーションにより負荷変動および位置ずれに対し一定出力電圧および高効率を実現する.受電器では整流器と出力負荷の間に挿入されるポストレギュレータで出力電圧を一定に制御する.また,送電器では電圧源とインバータの間に挿入されるプレレギュレータにより必要最小限の入力電力を供給する.本稿では,多受電 WPT における最大効率追従制御を提案する.提案システムは,受電器が複数存在するシステムにおいて負荷変動および位置ずれに対して一定出力電圧及び最大効率を達成する.提案システムの有効性及び妥当性は回路実験によって確認する.