非同期パルス符号多重通信を用いたWiBICの一応用
林 嘉穎、長澤 龍司、グエン キエン、鳥飼 弘幸、長谷川 幹雄、キ ウォンジョーオー、関屋 大雄
信学技報, vol.122, no.453, pp.85-90, Mar., 2023. [pdf document]

<Abstract>

我々は,スパイキングニューラルネットワーク (SNN) と IoT ネットワークを統合した分散情報処理システムとして Wireless Brain-Inspired Computing(WiBIC) を提唱している.WiBIC はそのコンセプトから SNN の無線化が必要となる.多くの IoT 通信端末に採用されているIEEE802.15.4e に基づく CSMA/CA プロトコルは,ランダムな送信待機時間を発生させ,スパイク発生タイミングの時間情報を喪失させることから,SNN に不向きであることが示されている.本研究では,非同期パルス符号多重通信 (APCMA) 方式を用いて無線 SNN を構成する.APCMA 方式を用いることにより,スパイク発生タイミングの情報が保持されるため,SNN として安定した動作が可能となる.この無線 SNN を用いてネットワークを構築し,「パブロフの条件反射」と「XOR 関数」の二つの学習問題へ応用する.これらの結果より,WiBIC システムが学習機能を有していることを示す.