無線脳型計算のコンセプトとAPCMA無線通信を用いた実装例 <Abstract> あらたな情報処理プラットフォームとして著者らが提唱している無線脳型計算(Wireless Brain-Inspired Computing , WiBIC)の概念を紹介する。WiBICはセンサネットワークとスパイキングニューラルネットワーク(Supiking Neural Network: SNN)を「ネットワーク」のもとに統合し,センサネットワークそのものに知的情報処理を可能とするコンセプトである。その実現の第一歩として無線スパイキングニューラルネットワークの開発を進めており,本稿ではその成果の一部を紹介する。プロトタイプ実装において,各ニューロンはFPGAで実装する。そして,無線通信には非同期パルス符号多重通信(Asynchronous Pulse Code Multiple Access,APCMA)を適用することにより,スパイキングニューラルネットワークのスパイク信号の伝送を行う。IEEE802.15.4に基づくCSMA/CAベースのプロトコルと比較し,伝送遅延のゆらぎを大幅に抑えられる。実装したシステムによるXOR学習に成功することを示すとともに,今後の課題を指摘したい。 |