低注入電力下での注入同期能力の最大化 <Abstract> 注入同期型発振器において,同期可能な注入信号の周波数帯はロックレンジとよばれる.より広いロックレンジを実現すること,すなわち同期能力の向上は実用上有用であり,その実現限界の解明はサイエンスとしても興味ある問題である.本研究は,E 級発振器を例として,「所与の低注入電力下で発振器の同期能力を最大化すること,あるいは所与の同期能力を達成する注入電力を最小化することは可能か?」という基本的問題に一つの解答を与える.この解答は,本研究で新たに得られた注入同期時の発振器内部での消費電力に関する観察結果に,これまでの最適注入同期の理論を適用することにより得られる. |