送信範囲の異なる端末で構成される無線アドホックネットワークにおけるビジートーンを使用したMACプロトコル
藤原 敏秀, 関屋 大雄, 萬代 雅希, 呂 建明, 谷萩 隆嗣
情報処理学会論文誌, vol.47, no.9, pp.2815-2829, Sept. 2006. [pdf document]

<Abstract>

本論文では,送信範囲の異なる端末で構成される無線アドホックネットワークに おけるビジートーンを使用したMACプロトコルを提案する.提案プロトコルではビ ジートーンを使用し,送信範囲の大きい端末(大端末)が発信するビジートーンBTh と送信範囲の小さい端末(小端末)が発信するビジートーンBTlの二つのビジートー ンとRTSの組み合わせで大端末,小端末の状態を表す.また,指向性アンテナを所 持するシステムを想定する.提案プロトコルでは,送信端末からのRTSを受信した 端末がビジートーンを発信する.このとき,BT$l$を感知した大端末はBTlを隠れ 端末へ中継するためBThを発信する.ビジートーンを感知した端末は感知する方向 へのデータ送信を禁止することにより,隠れ端末問題を軽減する.さらに,ブロ ードキャストでは,受信を開始する全端末がビジートーンを発信することで対応 でき,結果としてユニキャスト・ブロードキャストの混在通信に対応することが できる.計算機シミュレーションにより,提案プロトコルの有効性を示す.

 

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