スマートアンテナとPulse/Tone の適用によりRTS/CTSを不必要とするアドホックネットワーク用MACプロトコル
馬 ジン, 関屋 大雄, 小室 信喜, 阪田 史郎
電子情報通信学会アドホックネットワーク研究会, vol.112, no.122, pp.7-12, July 2012. [pdf document]

<Abstract>

本稿では, スマートアンテナとPulse/Tone の交換によりRTS/CTS を不必要とするアドホックネットワー ク用のMAC プロトコルを提案する.提案方式では,各端末が一つのトランシーバーを用い,通信を開始する前に送信 端末は周辺端末とPulse/Tone の交換を行う.Pulse/Tone は極短パルス状の信号のため,他の端末のフレームと同時 に送られたとしても衝突を起こさない.このため,隠れ端末問題によるフレーム衝突を軽減することができる.また, Tone の未検知は主に難聴問題に起因すると判断でき,Pulse 再送時にContention Window (CW) を固定する.これ により,難聴問題における送信待機時間を減少できる.さらに,スマートアンテナを適用することで,Pulse/Tone の 交換によるオムニアンテナを用いる場合のさらし端末の増加を軽減させることができる.オムニアンテナを用いる場 合さらし端末の増加を軽減させるためにRTS/CTS を用いた.したがって,提案方式ではRTS/CTS の交換が不必要 になり,ネットワークのオーバーヘッドを軽減し,スループットを向上させることができる.計算機シミュレーショ ンにより,提案の有効性を示す.

 

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