DATAフレームフラグメンテーションとSBA信号を用いて指向性隠れ端末問題を軽減する指向性MACプロトコル
茂木 翔, 関屋 大雄, 馬 ジン, 眞田 耕輔, 阪田 史郎
電子情報通信学会無線通信システム研究会, vol.112, no.351, pp.59-64, Dec., 2012. [pdf document]

<Abstract>

無線アドホックネットワークにおいて,指向性アンテナによるビームフォーミングを利用し,空間利用効 率を向上させる通信方式が注目されている.しかし,指向性アンテナを用いた通信では,アンテナの特性により新た に指向性隠れ端末問題が発生し,スループットが制限される.本稿では,指向性アンテナを用いた無線アドホックネッ トワークにおいて,指向性隠れ端末問題による衝突を軽減するMedium Access Control (MAC) プロトコルを提案す る.提案方式では,送信端末はDATA フレームを複数のDATA フラグメントに分割し,連続して送信する.また受 信端末は,通信中に,短い信号(SBA 信号) を周期的に送信することで,隠れ端末に現在通信中であることを伝える. SBA 信号を検知した端末は,Directional Network Allocation Vector (DNAV) を設定する.これにより,Request To Send (RTS),Clear To Send (CTS) を受信できなかった端末も送信を抑制することができるので,DATA フレームの 衝突が軽減され,スループットが向上する.計算機シミュレーションにより,提案方式の有効性を確認する.