IoT-BlockchainシステムにおけるIoTデバイスの性能評価
栗坂春輝, グエンキエン, 関屋大雄
電子情報通信学会情報ネットワーク研究会 (IN), Aug. 2023. [pdf document]

<Abstract>

近年,スマートホームやスマートシティをはじめとした IoT アプリケーションが増加している.これらの IoT アプリケーションでは,従来のクライアント・サーバ型システムなど中央集権的な構造により,セキュリティや プライバシー保護といった面で課題が存在する.こうした問題解決の一端を担う可能性を秘めているのがブロック チェーン技術である.ブロックチェーンは,分散性や信頼性などの特性を備えているため,IoT とブロックチェーンの 統合が注目を集めている.しかし,IoT アプリケーションでは通常,バッテリーを搭載した低リソースの IoT デバイ スが主に配備されているため,合意形成のための計算等にリソースを必要とするブロックチェーンを用いるにあたっ て,IoT デバイス上での動作を把握することは,IoT-Blockchain を促進する上で重要である.本研究では,Ethereum を用いたプライベートな IoT-Blockchain システムを作成し,Proof of Work(PoW)と Proof of Authority(PoA)二 つのコンセンサスアルゴリズムを IoT デバイス上で実行した際の動作特性の評価を行った.まず,IoT デバイスとし て用いた Raspberry Pi4 の,CPU,メモリ,ディスクや消費電力を評価した.測定の結果,PoA の消費電力が PoW の 2 分の 1 であることが示された.また,Raspberry Pi4 上で PoW を実行して得た Mining time のデータを元に, Mining time の期待値を算出した.

 

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