非同期パルス符号多重通信を用いた無線スパイキングニューラルネットワークの実装
太田温土,長澤龍司,林嘉穎,グエンキエン,鳥飼弘幸,長谷川幹雄,Won-Joo Hwang,関屋大雄
電子情報通信学会 複雑コミュニケーションサイエンス研究会, Mar. 2024. [pdf document]

<Abstract>

本稿では,WiBIC (Wireless Brain-Inspired Computing) による手書き数字認識システムを実装する.無線通信方式として非同期パルス符号多重通信 (Asynchronous Pulse Code Multiple Access,APCMA) を適用することで,スパイキングニューラルネットワーク (Spiking Neural Network,SNN) の発火時刻特性を維持したままスパイク情報の伝達を行う.SNN はスパイクタイミング依存可塑性 (Spike-Timing-Dependent Plasticity,STDP) と競合学習による教師なし学習モデルに基づいて設計する.また,入力の時間間隔を調整することで,パルス密度を変化させ,APCMA の誤検出率とシステムの性能の関係を評価する.実験結果から,誤検出が無視できる範囲では WiBIC システムは元来のSNN の学習能力を損なうことなく無線空間で実現することができ,誤検出率が 10 % を超えると WiBIC の動作特性が急激に劣化することが示された.実装したシステムは,MNIST データセットに対して分類精度 80.7 % を達成した.

 

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