IoTデータ決済システム

背景 - Background -

インターネット環境は徐々にIoT(Internet of Things)環境に変わりつつあり、多くのIoTデバイスがインターネットに接続されるようになりました。 そのため、Human to Human(人間対人間)であった従来のネットワークは、IoT環境に基づいた、Machine to Machine(機械対機械)のネットワークに対応する必要があります。 このMachine to Machineネットワークを実現する技術として、マイクロペイメントがあります。マイクロペイメントは、数円ほどの少額決済のことを意味します。

IoTデータ決済システム - IoT Data Payment System -

IoTデータ決済システムとは、IoTデバイスで所得したデータを、電子取引によって売買を行うシステムです。 IoTデバイスでは少量のデータを高速に取り扱うため、数円や数十円などの少額決済をリアルタイムで取引することが求められます。 そのため、IoTデータ決済システムでは、分散台帳技術を用いたデータ管理と、仮想通貨による決済方式を利用したマイクロペイメントシステムが必要になります。

研究課題 - Research Topics -

IoTデータ決済システムは、今後様々な場面で使われることが想定されます。 しかし、従来のブロックチェーン技術を使用した仮想通貨は、計算コストが大きすぎるため、IoT環境に適していません。 そのため、当研究室では、IoT環境に適している、新しい仮想通貨を用いた、IoTデータ決済システムの作成を目指しています。

1. プライベートブロックチェーンのIoTデバイスへの実装

ブロックチェーンは、多くの仮想通貨に使用されている分散台帳技術です。 ブロックチェーンのデータ管理方法は、そのセキュリティの高さから、様々な技術に使われることが見込まれています。 しかし、ブロックチェーンに必要不可欠な「マイニング」という計算作業は、低リソースのIoTデバイスには、大きすぎるものとなっています。 そのため、当研究室では、IoTデバイスにマイニングを行わない「非マイニングノード」を実装し、IoTネットワークを構築しています。 このネットワークを構築し、IoTデバイスに軽量ブロックチェーン技術を利用した仮想通貨の決済システムが実装を目指しています。

2. 仮想通貨「IOTA」を用いた決済システムの作成

IOTAは独自の分散台帳技術を用いてデータ管理を行う仮想通貨です。 そのデータ管理方法により、取引手数料が無料で、高速な取引が可能になっています。そのため、少額決済をリアルタイムで取引を行うIoTに最適なものとなっています。そこで、当研究室では、IoTデバイスにIOTAを用いた少額決済システムの実装を目指しています。 IOTAは最新技術であるため、先行研究が非常に少なく、このシステムを実装することで、多くのものに活用できる決済システムの実現に繋がります。

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